リモートセンシング

航空機や衛星からの遠隔測定データを使用して、地球上の地形、植生、土地利用、気象などの情報を把握し、道路やダム、橋、トンネルなどのプロジェクト計画、洪水、地震、台風などのモニタリングや災害発生後の被害評価、植生や水質への影響を把握するなど、土木工学のさまざまな段階で活用しています。

リモートセンシング

[速報]地震発生前後の複数の衛星SAR観測データを用いて、令和6年能登半島地震による法面崩壊、河道閉塞、液状化が発生した箇所を抽出しました。

地盤変動解析



干渉SAR解析を利用し、地盤変動を可視化します。合成開口レーダ(SAR)衛星で取得した2時期のSARデータの位相情報から、地表面変位を解析する方法を干渉SAR解析といいます。2時期以上の多数のSARデータを用いる場合、時系列解析と呼び、2時期の干渉SAR解析と比較して、変位の抽出精度が向上します。

高速道路の路面沈下解析事例

「PS-InSAR 時系列解析」を用いて、2007 年(平成 19 年)6 月~2010 年(平成 22 年)11月の期間における山形県酒田地区の広域路面沈下状況を明らかにしました。図 1 は、解析値をもとに道路区間ごとの沈下量をまとめたものです。当該地域は「粘性土優勢区間(後背湿地)」「砂質土優勢区間(自然堤防)」粘性土および有機質土優勢区間(後背湿地)」に区分されており、「粘性土および有機質土優勢区間(後背湿地)」において特に沈下が大きいことが報告されています(澤野、2007)1)。当該地区の時系列解析結果でも、「粘性土および有機質土優勢区間(後背湿地)」において、特に大きな沈下量を示しています(図 1)。また各キロポストにおいても、「PS-InSAR 時系列解析」結果は実測値を再現し、沈下傾向を示しています(図 2)。


図 1 酒田地区における広域路面沈下量(背景は地理院タイルを加工)


図2 150.9kp地点での時系列変位量グラフ*実測値は 2)に基づく


上記事例は第53回地盤工学研究発表会「SARを利用した軟弱地盤地域における高速道路路面沈下量の把握」の成果を一部、加工したものです。「SARを利用した軟弱地盤地域における高速道路路面沈下量の把握」は、国土交通省国土技術政策総合研究所の委託研究「リモートセンシング技術を活用した道路土構造物の維持管理の効率化に関する研究開発」の成果の一部です。

(参考文献)
1) 澤野・長尾・高橋・佐藤・友清:軟弱地盤上の高速道路盛土における長期観測結果からの一考察,第52回地盤工学会研究発表会,2017
2) 友清・長尾・澤野・佐藤:圧密沈下促進工法に伴う長期圧密沈下ひずみ速度に関する一考察,第52回地盤工学会研究発表会,2017

衛星画像販売

衛星画像販売のため、当社が取り扱いをしている衛星です。

ALOS-2/PALSAR-2

ALOS-2/PALSAR-2

「だいち2号」Advanced Land Observing Satellite-2(ALOS-2)は、災害状況の把握、森林分布の把握や地殻変動の解析など、さまざまな目的で使われています。「だいち2号」に搭載されたLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)という観測装置は、人工衛星から地表に向けて電波を照射して、その反射された電波を受信して観測を行います。2019年の時点で、Lバンドの波長帯を使うSAR画像はALOS-2のみです。

観測モード分解能観測幅
Spotlight1m(Az) x 3m(Rg)25km (Az) x 25km (Rg)
Strip MapUltra-Fine3m50km
High-sensitive6m50km
Fine10m70km
ScanSAR100m350km
60m490km
ALOS/PALSAR

ALOS/PALSAR

「だいち」Advanced Land Observing Satellite(ALOS)は、2006年に打ち上げられた地球観測衛星(陸域観測技術衛星)で、太陽電池パドルを片翼に持ち、3つのセンサを搭載した衛星です。「だいち」は地球規模の環境観測を高精度で行うことを目標に、地図作成・地球観測・災害状況の把握・資源探査など、幅広い分野での利用を目的に開発されました。現在は運用を終了していますが、アーカイブ画像の購入が可能です。

観測モード分解能観測幅
High resolution10m70km
ScanSAR100m250km - 300km
Polarimetric30m30km

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